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視神経脊髄炎(NMO)の治療

まず視神経脊髄炎の治療についてお話します。
視神経脊髄炎の治療はやさしいのです。多発性硬化症に比べだんだんそう思うようになりました。

診断さえ正しく、正しい治療さえ行えば、視神経脊髄炎の治療中に障害が進んだ方はほとんどいません。この7年間で私の視神経脊髄炎の治療を受けておられる方の中で、再発は若干起きる方がありますけれど、ほとんどそれは戻ります。
一歩障害が進んでしまったという方はほとんどありません。死亡された方は無論ありません。
他の病院に入院しておられて死亡された話を聞きますが、診断や治療方針が間違っているのだろうと思います。

治療の中心は免疫抑制剤を利用することです。これは日本では一般的ではありません。しかし、アメリカでは私とほぼ同じ意見です。

メイヨー・クリニックを中心とした欧米では、視神経脊髄炎の再発の直後ではない患者さんが来たら、プレドニン、ステロイド使わなくなっています。免疫抑制剤だけでスタートします。

日本ではそういうことはほとんどの医者がやりません。
プレドニンを長期に投与して、それでも抑えきれなかったら、あるいは副作用で使えなくなったら、やむをえず免疫抑制剤を使うという、治療方針が用いられています。

ステロイドは大量に使えば効果はありますが、大きな問題は副作用です。
日本での、こうしたステロイドのみに頼る治療は間違っていると思います。特に注意して欲しいですね。




ステロイド(プレドニンなど)の副作用

ステロイドを長期に使っていますと様々な副作用が出てきます。
大量のプレドニンを使えば効果は非常にあります。しかしながら長期に使えば副作用が非常に問題になってきます。少量では再発がかなり起きます。

東京から1週間前に腰が痛いと言ってこられた、視神経脊髄炎の診断を受けている患者さんがありました。
61歳の女性で歩けていた方が歩けなくなって、東京の非常に有名なMSの専門医のところへ行ったら再発だと言われ、 入院してパルスを2クールやったが、改善が無いので、次は血漿交換だと言われているとのお話でした。

診察をして痛む場所をしらべると、腰の骨の横あたりで、股関節が痛いのであり、再発ではないと思うということを申し上げて、整形外科の診察を受けることをすすめました。
そうしますと、何日かして電話がありまして整形の先生がMRIを撮って大腿骨骨頭壊死と診断したとのことでした。大腿骨頭壊死というのはプレドニンを使うことによって起きる一番問題になる副作用です。

また、九州から来られた視神経脊髄炎の女性は、両眼失明で寝たきり、 気管切開を受けており、非常に重症の糖尿病と肥満がプレドニンの副作用でおきていました。
長い間、プレドニンだけで治療されてきた方です。良く聞きますと、視神経脊髄炎で一眼が失明したのですが、もう一眼は副作用の糖尿病性網膜症で失明している。 また、糖尿病性の腎症で生命が危うい状況でした。
プレドニンを次第に減量し、免疫抑制剤を用い、糖尿病や肥満も少しずつ改善しました。

他にも他院でステロイドを大量に使用され、脊椎の骨折を起こし、歩けなくなって、転院してきた人をたくさん見ています。

ステロイドの副作用で一番多いのは肥満、糖尿病ですね。次に骨訴訟症で骨が折れるということ、 他にも動脈硬化、高脂血症、心筋梗塞や脳梗塞の増加、感染症が増える。白内障、緑内障が増える、 皮膚の発疹やにきびのひどいのがでるなど、ちょっと覚えきれないくらい副作用が沢山あります。

京都で今日見ていますとあまり肥えた方はおられませんが、東京や仙台などでの患者さんの会に行ったら、ぱっとみたら病名が分かるんです。 だいたい肥えて満月の顔をしておられ、あ、この方は視神経脊髄炎でプレドニンをのんでいる方だなと。

男女比で視神経脊髄炎は女性が10、男性が1くらいで非常に女性が多い病気で、ちょっと年輩の方に多い。



視神経脊髄炎の免疫抑制剤治療法

免疫抑制剤というのは沢山種類があり、ほとんどの免疫抑制剤がNMOに効きます。
ただ、神経内科のDr.は使い方に慣れておらず、間違っていることが多いですね。

例えばイムランというのが良く使われますが、これは6ヶ月くらいかかって効果がでてくる。 ところが2.3ヶ月使って再発があったからこれは効かないと、さっさとやめてしまう。こういう例が多いです。

イムランは一定程度効くことは効きますが、効果の発現に時間がかかる。
アメリカはイムランを中心に使っているのですが、私が使っているプログラフ、あるいはミゾリビンなどに比べ、長期に使っても再発率が高い。 しかも副作用も多い。私は勧めませんが、日本でまず免疫抑制剤というとプレドニンで失敗したらイムランを使うのが常識です。

他にもネオーラルというお薬も良く効きます。ネオーラルもプログラフと良く似たお薬ですが、少し使いにくい。副作用で腎障害が多い。

プログラフも腎臓が悪い方で、それを見過ごして利用しますと危険性があります。腎障害がある方で使い続けると腎障害がさらに悪化する、これがプログラフの唯一の欠点です。

ミゾリビンはプログラフに比べるとやや効果が低いですが、非常に安全です。私は長年使っていて副作用の経験がないです、 ただ、プログラフの方が少し切れが良いと思います。
こういうものを主に私は使っています。

他にもメソトレキセートとか、アメリカではイムランがだめだったらマイコフェノール(ミコフェノール?木下)が使われます。
マイコフェノールは日本では移植にしか使えないので保険では使いにくいです。エンドキサンも有効です。

免疫抑制剤を使う場合は、私は6ケ月くらいでプレドニンを止めます。昔は2年間くらいかかってストップしました。 かってはストップしても大丈夫かもう一つ自信が無かったのです。

最近、アメリカではプレドニンを最初から使わないというやり方を基本的に用いているということを聞いて、 だんだん使用を短くし、最近では新しく始める方は半年くらいでプレドニンを完全に中止しています。

それでも同じような効果がでていますのでもっと短くできるかもしれないなと思っています。 確証がないので、少しずつ短くしようかなと思っている段階です。


大阪の入野医院と京都民医連中央病院での多発性硬化症(MS)の専門医療